10月15日、すでに発売されている端末となりますが、ASUSのフリップスタイルでの使用が可能なChromebook 「C100PA」のセミナーイベントがありましたので参加してきました。
今回は、東京、大阪で行われた新型Zenfoneのセミナーとは違い、会場がプレゼンテーションルームで,ゆったりと座れる椅子にテーブル付きで参加者は自身の端末やメモ帳を使いながら話を聞くことが出来ました。
登壇者はASUS,Google,アスキーの方というように外部の方もいらっしゃったのでそれぞれの目線での話が聞けて充実した時間でした。
簡単ではありますが、スライドの画像とともにセミナーの内容を振り返ってみます。
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会場は富士ソフトアキバプラザ
今回はカフェではなく、ビルのプレゼンテーションを使ったセミナーとなりました。
広々とした空間でスライド、マイク、スピーカーなどの設備も充実していて聞く側としては快適でした。
小さくても机があるかないかでだいぶ違います。
以前、渋谷のイベントの際は机がなかったのでこの改善は非常に嬉しかったですね。
タイムテーブル
- ASUS
- アスキー
という順番でプレゼンが行われました。
ASUSのプレゼン
まずはトップバッターのASUSより、C100PAの特徴、開発話が語られました。
まずは去年行われたChromebookイベントで参加者より寄せられた意見がどのようなものであったかという説明。
タッチパネル・1kg以下の重量という意見が目立ったようです。
そこで今回発表されたC100PAは1kg切りを実現。
大きさは10.1インチと小型化されたとは言え、890gという驚きの重量です。
モバイル的要素を前面に押し出してきました。
加えて今回の製品名にもなっている「Flip」機能
- ノートパソコンスタイル
- スタンドスタイル
- タブレットスタイル
- テントスタイル
という4つのスタイルに状況によって変えることで使い勝手を向上できるというもの。
ノートパソコンスタイル以外は実質的にキーボードを使わないスタイルとなります。
これはタッチパネルに対応したからこそできる機能ですね。
次にデザイン面の話
今回の製品はフルアルミニウム合金。
エッジ部はダイヤモンドカット加工仕上げで角のないフルラウンド形状。
シームレスで耐久性も兼ねたデザインに仕上げることが出来たそう。
実際、金属で覆われた製品となっているが、手に持つと強固でタフネスという感じではなく、柔らかく美しいという印象を受けました。
次はディスプレイ
X205TAや以前のChromebookと違う点で、IPS液晶を使用している事が最大の変化だと感じました。
さらに、Truvividテクノロジーと呼ばれる光の反射を防ぎ、透過率を高める技術を採用したことで屋外や窓際等の日光が当たるような場所でも見やすさが期待できるとのこと。
見づらいディスプレイでの作業はストレスが溜まりますので、モバイル用としてはこの辺りが非常に重要なポイントかと思います。
バッテリーは最長9時間。
ACアダプタがなくても1日であれば十分保ちそうですね。
加えてファンレス設計。
さらにeMMCをストレージに採用しているのでファンやモーターの音が発生しないとのこと。
これによって常に静かなPCにすることが出来たようですね。
インターフェイスは一通り充実しています。
1つ残念な点としてあげるならばUSBポートの1つは3.0にしてほしかった事ですかね。
そして今回はレンタルということで返却前にリカバリー?(初期化)する方法が紹介されました。
気になる値段は¥39.800-
小さくなったディスプレイとFlip機能をうまく使いこなせる方にとってはなかなか買いなお値段でしょうか。
Googleのプレゼン
2番手はGoogleからChrome OSについて語られました。
まずChrome OSとはという点から順に説明いただきました。
私もですが、Chrome OS搭載のPCというのが初めてでしたので非常に興味深い内容でした。
対象となるユーザーはすべての人々。
3~5年前のPCを使っている方で用途はネットブラウジング程度という方には特にオススメであるようです。
4つのChromebookのポイント
高速
数年前のwindowsPCを使っていると段々と起動や動作速度が遅くなってくることに対して、何時でも、いつまでも素早く起動し、すぐにネットが閲覧できるという事が強みであるとの事。
日々の使用用途がメールくらいという方で、チェックするまでに5分も10分も掛かるのでは起動が億劫になりそうなもの。
しかしChrome OSは自動的にアップデートが行われる為、面倒な更新作業をすること無くベストな状態で使用できるし、なんといっても速度を再優先に考えているから「高速」には自信があるよ。という事みたいです。
シンプル
Windows7から8、8から10にアップデート。
毎回新しくなるたびに覚えなきゃいけない操作、変わってしまうインターフェイスに戸惑いがある。
でもChrome OSなら、ブラウザソフトのGoogle Chromeを使っていれば面倒な移行作業も必要ないし、ソフトの起動もアプリランチャーから簡単に出来る。
初めて触る人でもそこまで違和感なく使いはじめることができるよ、との事。
この辺りは私も初めてのChrome OSですので、使用した感想をまとめてみようと思います。
安全
Chrome OSにはウイルス対策機能が標準で搭載。
そもそも、データはクラウドストレージを使用する為、ネット上に保存される。
このデータを悪用しようと思った場合はGoogleのシステム自体をハッキングするくらいでないと不可能のようです。
アンチウイルスソフトを用意する必要がなく、ユーザーのログインやサンドボックス化等のセキュリティが充実しているため、「パソコン」に対する知識があまりなくても安心、安全に使うことが出来るようです。
共有
そして聞いていて一番いいなと思ったのがこの共有で紹介された機能。
windowsでもユーザーの変更というのは出来ますが、元となる部分(Cドライブの中身等)は共有ですよね。
Chrome OSであればGoogleアカウントを作成するだけで簡単にユーザーの切り替えが可能。
そして元となる部分はネット上にて管理されたデータなので完全にその人用のPCに切り替えることが可能。
他にも、遊びに来た友人がパソコンを使いたい。という場面に持って来いの機能として「ゲストモード」
ログイン画面でゲストモードを選択するとGoogleアカウントを持っていなくてもネットブラウジングが可能となります。
このモード中に閲覧したデータや履歴は記録されないので、何かダウンロードしたとしても勝手に消去されます。
そして、すでに海外では注目されていて、教育機関等で多数の導入実績が有るようです。
と、いうのも「監視対象者ユーザー」という機能を使うとその対象となるユーザーが何時何分に何を見たかというのがデータとして残ります。
さらにURL指定でアクセス制限等をかけることも可能。
言うなればキッズモードといったところでしょうか。
有害なサイト等は制限をかけ、ブラウジング履歴も管理できる。
データはユーザーごとにクラウド上に保存されるので大切なデータを子供に間違って消去されてしまう、というリスクからも開放されます。
操作も簡単であるため、子供用のPCとして導入するのも大いに有りなのではと思いました。
そしてなんといってもGoogleアカウントでひも付けされるので、Googleアプリとの連携が簡単であること。
あらゆるデータがどこの端末でも使えることというのもメリットであるようです。
以上のように、Chrome OSは高速、シンプル、安全、共有という4つのポイントを追求した設計で、誰にでも使いやすく、今まで以上にパソコンという端末を簡単に使えることが魅力なOSであるようです。
アスキーのプレゼン
3番手としてアスキー編集部より「ゆうこば氏」による実際に使ってみた感想を混じえたプレゼンが発表されました。
まず、ゆうこば氏が実際に使っている端末が紹介されました。
ポップなカラーが特にお気に入りとの事。
その他、使っている端末と使っているサービスの一覧。
これらのサービスがChromebookでも使えるよ、という話。
基本的にはサブPCとして使っているようです。
用途は、検索、メモ、クラウドストレージで管理されたデータの閲覧等。
なぜChromebookを使い続けているのか。
それはGoogleのプレゼンでもあったように、起動が早いというメリットが大きいようです。
また、同期が常に最新状態を保ってくれるため、会議資料が古いデータのままというトラブルを防げるのもポイントとの事。
Smart lock for Chromebookという機能はAndroid5.0に対応した端末を連携させ、スマホのロックを解除すると、Chromebookのロックも自動的に解除できるという機能。
いちいちスリープ明けにログインし直さないとならない場面がこれによってスマートに解決できるようです。
また、ニコニコ動画の生放送にてコメント管理をする端末としても使用しているとのこと。
左に動画、右に管理画面というように、ブラウザを2つ起動させて使用しているようです。
ということで、フラッシュプレイヤーを内蔵している点も評価していました。
以上のように、主に仕事用で使っているゆうこば氏ですが、そのような使い方で感じた点が幾つかあるとのこと。
満足している点として、やはり起動の速さ。
自動アップデートによって常に最新状態で使えることや、Android5.0との連携なども挙げられていました。
逆に、今後に期待したい点(要望)として、スペックの向上、解像度の向上、そしてMicrosoftのSurfaceやASUSのT100TALのようなセルラーモデルがほしいとの事。
確かに、格安simが家電量販店でも普通に買えるこのご時世。
わざわざテザリングしたり、モバイルルーターがなくても格安simを入れるだけで通信が出来るというのは魅力ですからね。
そして、新たな使い方として両親(パソコンに対する知識が浅い方達)用のPCとして導入するのがピッタリなのでは、と。
確かにハイスペックなマシンでも、用途がネットブラウジング、メールくらいだと豚に真珠状態ですからね。
そして、上で挙げて来たように、起動が早く、セキュリティについても心配なく、いざとなれば遠隔で操作してあげることも可能というメリットが「両親」にピッタリであるようです。
ただ、ここでも要望としてCD,DVDドライブの搭載があれば・・・。という話をしてました。
確かに、ネットで音楽(Google play music,apple music,Line music等)が一般的になりつつ有りますが、まだまだCD,DVDの需要はありますからね。
アスキーからASUS,Googleへ質問
一般からの質問は受け付けておりませんでしたが、ゆうこば氏からASUS,Googleへ質問が投げかけられました。
ASUSへの質問
Q,今後、Chromebookのスペックが向上したモデルを製造する予定はあるか。
A,今のところ無し。安さと低スペックでも快適に動くのがChrome OSの良い所だと思っているので。
逆にIntel製 core i3のCPU搭載で69800円だったら買いますか?
ゆうこば氏:買います。
この回答にはASUSも困ったのではないでしょうか(笑
Q,C100PAのカラーは現在1色。今後増える予定は。
A,予定なし。
これはアルミ合金製ということが問題なのだろうと思います。
Q,simフリーモデルの製造予定は
A,予定なし、但し、今後そのような要望が増えた際には検討する。
ASUSのスタンスとして、ユーザーの意見は積極的に取り入れたいとのことでしたので、今後に期待ですね。
Googleへの質問
Q,Chrome OSのCD,DVDドライブに対応等の予定。
A,今のところ無いが、先月より始まったGoogle play musicが非常に便利かと思うのでそちらを検討してほしい。
正直なところ、うまくかわして宣伝してきたな、という回答でした。
Q,Android5.0と連携し、色々なスマホへの通知をChromebook上で確認することは出来るか。
A,例えばGmailなら通知する機能にチェックを入れれば可能。
多分それだけじゃなくて、色々なアプリの通知も受け取れるようにはならないのかという質問だったと思うのですが。
Q,人気、おすすめのアプリがあれば教えて
A,Google Playにてランキング順や評価順でソートできるので試してみてほしい。
Q,Googleとしての最新情報、Chrome OSの機能等あったら教えて。
A,特に無いが、今後、Chrome OSユーザーが増えていけば色々な機能が開発されるであろう。
との事。
具体的な回答を避けたうまい回答の仕方を目の当たりにした印象でした。
まとめ
ということで一通り振り返ってみましたが、Chrome OSは現在使用しているユーザーにとってはまだまだ要望があるんだなぁと思いました。
WindowsのOSなどと比べ、歴史が浅いOSですので今後のユーザーの増加と共にさらに使いやすく進化していくのではと思います。
また、今回はGoogleとアスキーの方がお目見えしましたが、外部の方目線だとまた違った意見、感想が聞けるのでとても面白かったです。
開催側としては色々とセッティングが大変かもしれませんが、今後もイベントの際は外部の方を招いてほしいなぁと思いました。
C100PAに関しては今までのChromebookとはひと味違った高級感を感じました。
これから2ヶ月間使ってみて、色々思ったことを記事にしていきたいと思います。
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